評価:★★★★★★(秀作)
原題『LIFEFORCE』(意味:生命力)
1985年、アメリカ
ジャンル:SFホラー
監督『トビー・フーパー』
原作『コリン・ウィルソン』
脚本『ダン・オバノン』『ドン・ジャコビー』
音楽『ヘンリー・マンシーニ』
SFX監督『ジョン・ダイクストラ』
出演
『スティーブ・レイルズバック』トム・カールセン大佐(チャーチル号の艦長)
『ピーター・ファース』コリン・ケイン大佐
『フランク・ファンレイ』ハンス・ファラーダ博士
『マチルダ・メイ』スペースバンパイア
【ストーリー】
ハレー彗星の研究の為、現地に向かった宇宙船チャーチル号だが、ハレー彗星の影に隠れていた謎の巨大な物体を発見する。それは明らかに人工的な建造物であり、宇宙船の様で有った。早速内部を調査した所、乗組員と思わしき巨大なコウモリの様な死骸が数千と、人体3体(女性1体と、男性2体)が発見され、研究者達はサンプルとしてその人体3体と、コウモリの死骸1体を持ち帰ろうとする。
それから、30日後。
チャーチル号との交信が途絶えてしまった為、急遽、宇宙船コロンビアを打ち上げ救出に向かわせる。
しかし、チャーチル号は内部で火災を起こした様で散々な有様だった。その為、生存者は確認されなかったのだが、幸いにも?サンプルの人体は無傷だった為、3体とも地球へ持ち帰られる事と成る。
それが悪夢の始まりだとも知らずに…
しばらくすると、研究所に持ち帰った人体のサンプルが動きだし、次々と人間の精気を吸い取り犠牲者が続出。やがては街全体がパニックに陥ってしまう。
はたして彼女等は、何の目的で地球へやって来たのだろうか?
【感想】
スペースバンパイアは、地球種の主な吸血鬼とは違い、血の代わりに精気を吸い取るのですが、そのシーンのSFXがド派手で圧倒されます。
オリジナルの3体のスペースバンパイアは、変身したり他人の身体に乗り移る事が可能で、いかにもヴァンパイアらしいのですが、感染された被害者の場合は、ただ単に他人の精気を吸い取る事しか出来ず、見た目はゾンビそのものなのでゾンビ物としても楽しめます。
僕の中で1番印象に残ったのは、スペースバンパイア(女性)が遺体の血を吸い出し、それで自分の魂が入る身体を作り出すシーンで、初めてこれを観た時は夢の中にまで現れ、とにかく怖かった記憶があります。カールセン大佐と同じく悪夢に唸らされた訳です。スペースバンパイアを演じたマチルダ・メイも圧倒的に美しいし、トビー・フーパー監督の罠にキッチリはまった感じです。観てるこっちまで精気を吸い取等れた様な感じになるし、とにかく秀作中の秀作なので、超お勧めです。
【その他】
ハレー彗星は、約76年周期で地球に接近するそうで、本作初公開の翌年、1986年に地球に接近しました。まだ実態がよく分かって無い時代には、不吉な存在として恐れられていたそうですが、映画公開のタイミングもバッチリですね。
2013/6/29(土)
小説のタイトルは『宇宙バンパイアー』で検索しないと発見できません。
海外版Blu-ray(日本語は無い)が、2013年6月より
「DVD Fantasium」にて販売開始されました。